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Panasonic製の「KURO」? [MOT in School M1]

 先日パイオニアがプラズマパネル生産から撤退すると発表がありました、最近はフラットパネルディスプレイ業界の再編が活発に行われています。そこで最近の業界の動向をまとめてみます。

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パイオニア、プラズマパネル生産撤退――松下から調達 (2008/03/08, 01:23, 日経速報ニュース)

 「パイオニアは7日、プラズマパネルの生産から撤退すると正式発表した。2009年にも松下電器産業からパネルの調達を始め、テレビの組み立て・販売に特化する。事業撤退に伴う減損処理で08年3月期の連結最終損益(米国会計基準)は150億円の赤字に転落する見通し。プラズマパネルを国内生産するのは松下と日立製作所の2社に絞られ、国内のパネル再編の枠組みが固まる。」

 NECのプラズマパネル事業を買収までして勝負に出たパイオニアでしたが、元々NECからパネル供給を受けていたソニーがプラズマTVから撤退した為、外販先が無くなってしまったので受注が減少して工場の生産キャパを満たせなくなってしまいました。以前は40inchまでは液晶、それ以上はプラズマのような住み分けがありましたが、液晶TVの低価格化と大型化、さらにソニーの「モーションフロー」をはじめとする秒間120コマの映像を作り出す技術で、今まで液晶の欠点だった残像の問題も克服してプラズマの優位性(大型化が容易、液晶より残像少ない、コントラストが高い)が揺らいできてしまいました。逆にパネルのフルHD(1920×1080)化の遅れが逆に目立つ有様でした。それでもパイオニアの独自技術で高いコントラストで黒が美しく表現できる「KURO」シリーズは一部評論家には高い評価を受けられたものの、形勢を逆転するには至りませんでした。生産撤退の後のパネル供給元は松下電器と交渉中だそうです。

 日立2子会社、松下・キヤノンが経営権、薄型パネル3社提携発表。 (2007/12/25, 日本経済新聞)

 「松下電器産業、キヤノン、日立製作所の三社は二十五日、薄型パネル事業で提携することで合意したと正式発表した。まず今年度内に、日立が全額出資する液晶パネル子会社、日立ディスプレイズ(日立DP、東京・千代田)の株式を松下とキヤノンが各二四・九%取得する。第二段階として日立、松下、東芝が共同出資しているテレビ用液晶パネル製造会社IPSアルファテクノロジ(千葉県茂原市)を松下が子会社化、日立DPをキヤノンが子会社化し、それぞれ経営権を握る。」

 その松下は、元々松下、東芝、日立の3社合弁だったIPSアルファテクノロジを松下が子会社して、プラズマパネルだけではなく液晶にも本格的に参入するようです。先日姫路に液晶パネルの新工場建設を発表しました。これが完成すると世界第2位の規模になるのだそうです。

松下電器、姫路の液晶パネル新工場発表、10年稼動、年産1500万台。 (2008/02/16 , 日本経済新聞)
 「松下電器産業は十五日、兵庫県姫路市に液晶パネル新工場を建設すると正式発表した。投資額は約三千億円。二〇一〇年一月に稼働し、一三年のフル稼働時の生産能力は三十二型換算で年千五百万台を予定。プラズマに続き液晶でも部材から一貫生産する垂直統合モデルを構築する。」

 操業開始は2009年だそうですが、現在は逼迫している液晶パネルも今後需要の伸びは緩やかになり、供給過剰による価格下落が今より一層進むと予想されています。そんな中でこの松下の新工場の投資が回収できるのかが注目されています。

ソニー、液晶TV首位狙う、シャープとパネル生産、合従連衡一段と加速。 (2008/02/26, 日本経済新聞)

 「液晶テレビ世界二位のソニーが首位の韓国サムスン電子との提携に続き、同世界三位のシャープとも連合を組む。液晶テレビの需要が拡大するなか、ソニーは両社と提携することでパネルの安定調達体制を確立、液晶テレビで世界首位の座を狙う。これにより、シャープは東芝に続く外販先を確保。薄型テレビ用パネルを巡る業界各社の合従連衡が一段と加速する」

 いままで韓国サムスン電子と合弁企業「S-LCD」で液晶パネルを生産していたソニーが、今後の需要を満たす為には「S-LCD」一社からでは困難と判断したようです。国内1位のシャープから国内2位のソニーへのパネル供給はちょっと変な感じがしますが、シャープも堺に作る新工場のキャパを埋めるのに必死なのでしょう。シャープの液晶技術とソニーの映像技術が組み合わさると一体どんな液晶TVが生まれるのでしょうか?ちょっとやじうま的な興味はありますね(笑)。

薄型パネル、提携加速、ソニーとサムスン追加投資、液晶合弁に2000億円 (2008/03/04, 日本経済新聞)

 「【ソウル=鈴木壮太郎】ソニーと韓国サムスン電子は韓国の液晶パネル合弁工場に追加投資し、薄型テレビ向け大型パネルを効率生産できる生産ラインを増強することで大筋合意した。投資額は二千億円前後とみられ、両社が折半する。液晶テレビ世界二位のソニーはシャープと最先端のパネルを共同生産することを決めているが、同時にサムスンとの関係も強化。競争力のカギとなる液晶パネルで二社から安定調達する体制を固める。」

 サムスンとの関係はどうするのかと思えば、さらに2000億円追加投資して、関係は継続するようです。二社購買にして競合関係を構築して価格を下げようとしているのでしょうか。ちなみにサムスンとの合弁企業の「S-LCD」は第8世代の工場で、32inchのパネルが一番効率良く取れるのだそうです。一方シャープの堺工場は第10世代で、40inchのパネルが一番(効率が良い)のだとか。

有機ELテレビ、ソニー、220億円投資――08年度下期、20型以上を実用化へ。 (2008/02/20, 日経産業新聞)

 「ソニーは十九日、二〇〇八年度下期に有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)事業に二百二十億円を投資し、パネル製造ラインを新設すると発表した。〇九年度後半をメドにパネルの生産技術を確立、20型以上の中型の有機ELテレビの実用化を目指す。」

 次世代パネルの最有力候補と言われている有機ELですが、本格的な普及はまだまだみたいですね。220億円投資しても30inchには手が届かないようです。やはり大型化に手間取っているのは本当のようです。しかしかつての液晶も初めて32inchが発売されたとき確か1台80万円位していてとても買える様な代物ではありませんでした(汗)。先日読んだ「日経エレクトロニクス」によると、有機ELで特許出願件数が多いのはソニーではなくて、「セイコーエプソン」と「サムスン電子」なのだそうです。事業はソニーが先行していますけどね。サムスン電子は既に有機ELの量産を開始していますが、主に携帯用の小型パネルがメインです。そういえば私が所有しているAUの「MEDIASKIN」の有機ELもサムスン製でした(笑)。

 これまでの記事を元にフラットパネルディスプレイ業界の相関図を作成してみました。本当は東芝やCanonも載せるべきなのでしょうが、ちょっと細かくなるのでそれはまたこの次ということで(笑)

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液晶パネルをめぐる勢力図 (2008/03/04, 日本経済新聞を筆者加筆)


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