早稲田大学ビジネススクール チャリティー講演会「MBA ESSENTIALS」-第2回 [MOT after Graduation]
今日はWSJP主催の「MBA ESSENTIALS」の第2回です。今日の講義は遠藤先生です。遠藤先生はいままでMOT担当でしたが来年からMBAに総合(昼/夜)に担当が絵になるそうです。来年からコースの名前からMOTの表記がなくなってしまいますし、MOT出身の私としては寂しい限りですよ(泣)。それはさておき、今日の講義は早稲田キャンパス14号館の地下の大教室で行われましたが、今回も満員御礼でしたね。でも地下だと携帯の電波が入らないので、PCがネット繋げないのがちょっと不便だったりします(怒)。
遠藤先生は三菱電機でFA事業の海外マーケティングをご担当された後、BCGへ移り50社以上のプロジェクトに参画、現在は欧州最大のコンサルティング会社ローランド・ベルガーの日本法人会長に就任されています。WBSではオペレーション戦略論と経営戦略論をご担当されています。最初に遠藤先生の著作「未来のスケッチ」の感想文がおばあちゃんから巻物出来たと自慢したところから授業がスタートです(爆)。
1.オペレーション戦略
オペレーションとは「退屈なルーチン業務」ではなく、「戦略を実現する組織能力」のことで、すなわち「現場力」である。現場力とは、知恵を生む頭脳と強靭な足腰が加わったものである。経営の目的とは価値を創造することであり、この為には競争戦略(what)とオペレーション(How)が必要である。戦略とオペレーションは表裏一体であり切り離して考えることはできない。ビジネスモデル(儲けのしくみ)は競争戦略とオペレーションで構成される。
事例1:がれきと宅急便

クロネコヤマトは震災後、3/25からいち早く被災地域の宅配を再開した。実はその前から現場の社員が独自に判断して業務を再開していた。再開した社員は本来なら業務規程違反になるところが、勇気ある行動を評価されて社長賞を受賞した。(遠藤先生は宅配再開前に朝日新聞の写真に被災地を走るクロネコヤマトのトラックが写っていて本社で大騒ぎになったとしているが、クロネコヤマト社長は朝日新聞の写真は本社指示の再開後のものだと述べている。)
事例2:JR東日本大宮総合車両センター
鉄道車両の整備担当、東海道線他マイナー車で面倒くさい車両を担当。全バラしてメンテしているので、もう一回生産しているようなものである。JR社内では大井はサラリーマン、大宮は百姓、と呼ぶこともあるそうだ(大井は山手線他メジャー車両を担当している)。25年走って故障1件の割合。SLの復元で技能を磨く。このような風土を「大宮魂」という。
事例3:鉄道整備(TESSEI)

東北新幹線の車内清掃業務を担当する会社。東北新幹線が東京駅で折り返す12分注中7分間で全車両の清掃を完了させる。作業者は清掃というメンテナンスを行っている技術者と呼んでいる。TESSEIは「清掃の会社」ではなく「おもてなしの会社」を目指している。フランス国鉄総裁が「輸出して欲しい」。
2.現場力
現場力とは、1.自ら問題を発見し、解決する(問題解決に対するリーダーシップ)、2.全員参加の組織能力(点ではなく面の力)、3.独自の優位性につなげる(ダントツ、チャンピオンを目指す)である。また問題のない会社、問題のない現場は存在しない。問題と肯定的に付き合うことが必要で、二律背反の克服が必要である。組織の「しつけ(=規律)」とはオペレーションの土台であり、組織の「くせ(=組織能力)」はオペレーション上の優位性に直結する。「しつけ」、「くせ」と「ブレイクスルー」を大企業なら10年は継続させること。
3.見える化
「見える化」とは渉外を見えるようにしてみんだで解決することである。元々はトヨタ生産方式の「行灯(あんどん)」から始まった。問題解決の第一歩は問題発見である。問題発見を効率良く行うために見える化が必要である。しかしあくまでもツールなので何のために「見える化」するのかを明確にしなければならない。見える化だけしてなにもしないのなら見えないほうがましだ(トヨタ)。
事例4:あるソフトウェア会社
基本的に一人仕事なので隣の人がどんな仕事をしているか分からない。業務負荷にもばらつきがあった。そこで各人の業務負荷を数値化して(50~150%)、ホワイトボードに掲示したところ業務負荷のばらつきが解消した。負荷が150%の人がいるとさすがに放置するわけにはいかず、お互いの仕事のことをよく話し合うようになった。これは良いと思ってあらゆることの見える化を行ってホワイトボードに掲示したが、情報の洪水を引き起こしてしまい余計にわからなくなった。なんでもかんでも見える化すれば良いというものではない。消化不良を起こすほど情報を出してはいけない。本当の見える化は対話だけが唯一の方法である。
経営の3つの要素とは、1.ビジョン:経営のパッション、共有された組織の思い、2.戦略:経営の合理性、合意された組織の目標、3.オペレーション:経営の実現性、結合された組織の構造、である。
4.質疑応答
①サムスンの成功要因は?
サムスンはまず戦略として、1.資源配分が明確、である。日本は反対に総花的だ。オペレーションとしては、2.意思決定が早い。本社が決めるべきことは決め、現場に任せることは任せる。そして3.世界中の国々の市場開拓を行った。戦略は真似ることが出来るかも知れないが、オペレーションで圧倒的な差がついてしまっているので、これでは(日本企業が)勝てるはずがない。
②問題というとネガティブに感じるが、見える化することでポジティブな集団になれるのか。
問題をネガティブに捉えることがまず良くない。問題はポジティブに捉えるべき。ボトムアップはトップダウンからしか生まれない。価値ある仕事であることを戦略的にトップが持っていく。オペレーションは経営者しか強くできない。
実は私、WBS在籍中は昼間は土曜日しか通えなかったので、木金に設定されていた遠藤先生の授業は取ることが出来ませんでした。でもこうしてたった1回だけでも授業を聞くことが出来てよかったですよ。
第23回 JR東日本 大宮総合車両センター(遠藤功の現場千本ノック)
第22回 鉄道整備株式会社 東京サービスセンター(遠藤功の現場千本ノック)








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